インテル(Intel Corp)は、製品および技術の設計と製造に従事する。
【事業内容】
セグメントは、クライアントコンピューティンググループ(CCG)、データセンターグループ(DCG)、モノのインターネットグループ(IOTG)、モービルアイ、不揮発性メモリーソリューショングループ(NSG)、プログラマブルソリューショングループ(PSG)などがある。CCG事業は、PC体験を可能にする長期的なオペレーティングシステム、システムアーキテクチャ、 ハードウェア、アプリケーションの統合に注力する。DCG事業は、計算機、ストレージ、ネットワーク機能のワークロードに最適化されたプラットフォームを開発する。IOTG事業は、垂直的な産業や組込み市場にわたって拡張するビジネスユースケースの技術的ニーズを解決する高性能なコンピュートプラットフォームを開発する。モービルアイ事業は、運転支援および自動運転ソリューションを提供する。NSG事業は、インテル3D NANDテクノロジーをベースとしたメモリおよびストレージ製品を提供する。PSG事業は、FPGAを中心としたプログラマブル半導体、ストラクチャードASIC、および関連製品を提供する。
CPUの製造に特化したことで、PC市場をほぼ独占する巨大企業に成長
インテル(ティッカーシンボル:INTC)は、1968年にボブ・ノイス、ゴードン・ムーアらによって設立された半導体企業だ。
当初はメモリーを作っていたが、日本の半導体企業との競争にさらされ、企業戦略を根本から見直した結果、1970年代からCPU(マイクロプロセッサ)に特化した企業へと変身した。CPUへの集中は見事に功を奏し、インテルはPC市場で独占に近いマーケットシェアを誇るまで成長した。
時代の流れに乗り遅れたインテルは、“PC中心”の会社から“データ中心”の会社へと脱皮を図る
しかし、その後、スマートフォンの出現で人々のコンピュータとの接触の仕方が大きく変わり、その流れに乗り遅れたインテルは業績が足踏みした。
そこでインテルは、再び企業戦略を見直し、それまでのPC中心の会社からデータ中心の会社への脱皮を図っている。2018年には、PC中心の売上高とデータ中心の売上高がちょうど半々になった。
データ中心のビジネスは、将来の成長の余地が大きい。その反面、キャッシュフローという面では、ゼロ成長の分野であるPC中心の市場にもいまだ妙味は残っている。
したがって、すぐにPC中心の事業を止めてしまうのではなく、PC中心の事業から生まれる潤沢なキャッシュフローをデータ中心の新分野へ積極的に投入することで、バランスのとれた成長を狙う考えだ。
データ中心の新分野というと、具体的にはデータセンターで使用される人工知能、FPGA、オプテイン・メモリ、3D NAND、ネットワークで使用されるNFV、5G向けチップ、エッジ向けチップ、IoTで使用される人工知能、自動運転車向け半導体、ビデオ・チップ、MaaS/DATAなどを指す。
これまでインテルは、PC中心の市場を他社との競争から守ることを主眼に経営されてきた。そこではベストの製品を作ることを心がけ、「良い製品は自然に売れてゆく」という価値観が支配的だった。
しかし新しいインテルは、自分たちのマーケットシェアは低いけれど高い成長を見せている市場に積極的に攻める経営へと転じており、顧客のニーズに耳を傾ける経営に舵を切っている。
半導体を製造するプロセス技術では、ライバル企業の後塵を拝する
インテルは、14ナノメートル(=10億分の1メートル)の線幅の半導体が主力となっている。しかしライバルである台湾セミコンダクターはすでに10ナノメートル、7ナノメートルの線幅へと移行中で、後塵を拝しているわけだ。
実際、線幅の縮小は、過去においては約2年ごとに起こっていたのだが、近年はそのサイクルが3年以上に伸びてしまっており、プロセス技術の面でインテルが苦労していることが浮き彫りになった。
第2の変革期を経て、新たに生まれ変わろうとしているインテル
インテルは、2度目の大きな事業戦略の変革を試みている最中だ。そこでは、これまでのPC中心の戦略を捨て、後発でも市場規模が大きく、なおかつより急成長しているマーケットへ果敢に攻めこむ方針が採用された。
インテルは、プロセス技術の面でライバルに先を越されたが、今急速にキャッチアップしているところだ。
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